Amor Amigo | Adult Contemporary

Amor Amigo

Milton Nascimento
Angelus

またまたブラジルものです。

94年のミルトン・ナシメント。


1. Seis Horas da Tarde

2. Estrelada

3. De Um Modo Geral...

4. Angelus

5. Coisas de Minas

6. Hello Goodbye

7. Sofro Calado

8. Clube da Esquina Nº2

9. Meu Veneno

10. Only a Dream in Rio

11. Qualquer Coisa a Haver com o Paraíso

12. Vera Cruz

13. Novena

14. Amor Amigo

15. Sofro Calado



このアルバムはパット・メセニーが参加してる

ということで買ったんですが、

そのパット・メセニーは

12、13でハービー・ハンコック、ロン・カーター、

ジャック・デジョネットとともに、

14でハンコックと一緒に参加しています。

で、ハマったのは14の Amor Amigo 。

媚薬のようなミルトン・ナシメントのヴォーカル、

耽美な世界をつむぐメセニーのギター、

バランスをとりつつもその存在感が圧倒的に際立つハンコックのピアノ。

物悲しくもただただ美しい、です。




僕が携わっている認知症高齢者の方々には

「美しい」と感じる瞬間世界があります。

決して、認知症を生きる不自由さや

その方々をまわりでみておられるご家族のしんどさを

「ないこと」にしたり、美化するわけではないですが、

一緒にいさせてもらっている時に

人としての美しさや力を感じるんです。

それは認知症を病む方に限ったことではないのかもしれません。

ただ、あの病を生きておられる方からは

時として、純粋な anything を感じるんです。

年を重ねる内に人はいつしか自分のまわりに

何かしらのフィルターを設けています。

理性とか社会性とか、そういった言葉に置き換えられるものです。

けれど、

それは僕が認知症を病んだとしても例外なく

自らの不自由にしんどさや絶望感、喪失感、恥ずかしさ、

時には後ろめたさを覚えながらも

きっと自分が自分であり続けるために必死に生きようとするはずです。

その時、理性や社会性はまったくなくなりはしないものの、

おそらくは、その一生懸命さゆえに、

まわりに多少の迷惑をかけながらも

一歩一歩、命の続く限り日々を生きようとするでしょう。

そこに、なんだか美しさを感じるんです。

皺くちゃの顔でも、

杖をついていても、

同じ事を何回も言っても、

トイレが一人でいけなくても、

食事に他人の手助けが必要になっても、

物がなくなった、盗られた、と言うようになっても、

必死に生きようとするからこそ、純粋な美しさが伝わってくる時があります。

人、っていとおしいなあ、と思う瞬間です。

高齢者福祉の世界に転職して、

「天職」と感じるよりかは、

“この世界で学ぶことは多い。移って良かった”

と感じることはかなり多いことに感謝しています。



今年になって出版された本があります。

小沢 勲
認知症と診断されたあなたへ

診断されたご本人のための本ではありますが、

学ぶところは多いのではないかな、って思います。

仕事として認知症の方のケアに関わることがなくても

近い将来の超高齢化社会に向けて

ちょっと興味を持っていただけたら嬉しいです。