Work To Do | Adult Contemporary

Work To Do

The Isley Brothers
Brother, Brother, Brother

今年も残すところあと10日。

勤め先は年内29日までなんで

仕事してはあと一週間です。

最後まで楽しく、安全にお仕事できるように

今日はアイズレーのこのアルバムから

Work To Do です。


1. Brother, Brother
2. Put ALittle Love In Your Heart
3. Sweet Season / Keep On Walkin'
4. Work To Do
5. Pop That Thang
6. Lay-Away
7. It's Too Late
8. Love Put Me On The Corner


前にも書いたかもしれませんが、

僕の仕事は高齢者の方の介護職です。

2000年に転職して福祉の世界に入ったんで、

丸5年がやっと経った、という感じ。

今年の8月までは

介護老人保健施設という高齢者向け施設に勤務して

今はデイサービスで働いています。

今までいくつかの職種を経ての転職でしたが、

この“介護”という仕事に

我ながら見事なくらいハマっています。


じゃあそのきっかけはなんだったんだろう、

って思い返すと、

やっぱり僕の場合は“認知症”というキーワードに行き着くんですね。

ちょっと前までは、痴呆でした。

薄痴の「痴」に、阿呆の「呆」。

それが厚生労働省の旗振りもあって

認知症という言葉に名称変更されたのが去年の暮れだったかな。

今でも認知症という名称には抵抗を感じる人たちも幾分おられて

論議を呼んでいますが、

ただ、肌で感じる部分として、

認知症という名称に変更されてから

メディアが取り上げる頻度がグーンと増した、ということ。

痴呆という言葉が持ち合わせていたかなり非人間的なイメージ、とか

暗黙的にメディアで取り上げることを半ばタブー視していた風潮とかが

名称変更というきっかけ一つでちょっと変わった気がします。

だから、ちょっとは社会的のなかでの位置づけというか、

認知症の方々を取り巻く環境が変わりつつあるような気も。


でもね、

実際は、認知症の方々にとっては住みにくい環境であることは間違いないです。

一部の方々は認知症という病を抱えながらも

幸せに(そう信じたいのですが)暮らしておられます。

けれども、まだまだ多くの方々が窮屈な思いや

恐怖感にも似た不安を抱きながらひっそりと生きておられます。


そうした不自由を生きておられる方々にも

現役世代として輝かしい時を過ごした証があります。

しかし、認知症という病になってしまったことだけで

そうした過去のとても大切な証が周囲の目には映らなくなるんです。

たとえば糖尿病になってしまっても

それまでのアイデンティティが一切どっかに消えちゃって

「糖尿病の○○さん」とはならないですよねぇ。

でも認知症の場合、その多くのケースで残酷です。

どっかの大学の教授でも、

お子さんを立派に育ててこらたお母ちゃんでも、

「認知症(痴呆)になった○○さん」というレッテルを貼られがちで、

そうした、語弊があるかもしれませんが、

貧しい感覚はまだまだこの国に、

そして僕らの暮らすそれぞれの地域、

家族という単位で根強い。

だから、そこに何かをしたい、って思うようになりました。


しかしねぇ、

こうやって書いてきてなんですが、

介護の世界に身を置いてみると

認知症のお年寄りのいる家族を責めることはできんなぁ、

って思うこともしばしばあります。

家族には家族の大切な時間があるし、

ひょっとしたら僕らが知らない、

僕らには話したくない秘密

(長年の嫁と舅、姑のこととかね)

だってあるかもしれない。

だから最後まで諦めることはしないまでも

「こういう風な関係でおられたら、少しはこうなるかもしれませんね」

的なお話はご家族に語りかけ続けてきました。

と同時に、

僕らが僕らの持てる力を精一杯使って

認知症という病を生きておられる方々に

少しでも安心した時間を持ってもらえるよう

援助してきたつもりです。

その援助の過程、

つまりケアというお仕事に僕はどっぷりハマったわけです。


何故か?

それはこの仕事をしておられる方々に共通した感覚かもしれませんが、

たぶん、援助しているようで僕らも援助されていたり、

実生活で満たされない何かを埋めてくださったり、

時に癒されたり、優しさを感じたり、

そうした何事にも代えがたいものがあるんだと思うんです。

美談でもないので、そんなことが毎日はあるとは言いません。

けど、なんていうか、

タイミングよく癒されたりするんですねぇ。

自分がへこんでる時に

「あんた最近元気ないように見えるよ、どうしたん?」

とか声かけられるとジーンと来るし、ホント。

病が進行した方で言葉を失われた方でも

なんとも言えない表情で僕らを支えてくれる時だってある。

デイサービスから家に帰るときに

しわくちゃの手で一生懸命バイバイとてを振ってくださる方もおられる。

そういう有難い関わりに僕らも真摯に応えたい。

僕の人生、そしてお年寄りの人生で

そんなやりとりの時間はごくわずかなちっぽけな時間かも知れんけど、

筆舌に尽くせないほど忘れたくない時間。

仕事は世の中にたくさんあって、

人と接する仕事も数多あるけど、

僕らの身を置く世界で得られる『人とのふれあい』って

ちょっと言葉では言い尽くせないほどのものがあります。


思いつくままに書いたので

読みづらいかもしれません(^_^;)。

101回目を迎えて、

ちょっと自分の仕事のことも書いてみたくなったんです。

音楽系ブログだけど、許してくださいね(^^♪